この記事では、NIPTの検査を受けるか悩んでいる人が知っておきたいことについて紹介します!
- NIPT(新型出生前検査)を受ける予定の方
- 妊娠中の方
2013年から日本でも検査できるようになった、採血のみで胎児の染色体異常の有無を高精度で知ることができるNIPT(新型出生前検査)。
2022年2月に年齢制限が撤廃され、現在は希望すれば年齢に関係なく受けられる検査となっています。
私たち夫婦(27才)も妊娠11週目でNIPTの検査を受けるために、遺伝カウンセリングを受けた後、採血を行ってきました。
NIPTの検査内容や、検査を受ける前に知っておきたいことについて紹介しますので、検査を受けるか悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
夫婦で意見が分かれることもあるので、よく話し合い、カウンセリングや検査を受けるようにしてください!
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NIPT(新型出生前検査)で分かること
NIPT(新型出生前検査)は妊婦の血液を採取し、血液中に浮遊しているcfDNA(染色体が細かく分解されたもの)を分析して、染色体疾患を持つ可能性を確認するための検査です。
検査対象となる染色体疾患は、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)です。
NIPTの検査を受けられる病院は、認証施設と非認証施設に分類され、認証施設では日本医学会連合の指針によって検査項目が決まっているため、上記の3つの検査しかできません。
非認証施設では、上記に加えて、微小欠失検査や全染色体検査、性別検査なども実施できます。
様々な検査が実施でき、性別の確認ができる点は非認証施設のメリットですが、NIPTに関する知識が乏しい医師によって、カウンセリングや検査が行われている場合もあるようです。
非認証施設は学会の認定要件を満たしていないため、施設によって対応や料金に差があるので、事前にしっかり調べてみてください!
認証施設ではNIPTを受ける前に、遺伝カウンセリングが必須となっていて、理解を深めたうえで検査ができ、陽性となった場合のアフターフォローも同じ病院でしてもらえます。
私たちは遺伝カウンセリングを受けたので、安心して検査を受けることができました!
全染色体検査や性別検査、カウンセリングは必要?
NIPTの検査をするうえで確認しておきたいことや、検査結果を受けた後のことなどを相談でき、検査に対する理解が深まるので、カウンセリングは検査前に受けておくのがおすすめです。
そして、カウンセリングで聞いた内容を基に考えると、全染色体検査や性別検査は不要だと思いました。
全染色体検査については、異常が見つかった場合、どのような疾患があるのか、わからない場合が多いようです。
何番の染色体が異常なのか、異常の割合はどの程度なのかによって疾患は変わるため、検査をしても軽度の疾患なのか、重度なのか、判断が難しいようです。
病気だと中絶を考えている場合は、判断が難しくなり、どうしたらいいかわからなくなってしまいます。
性別については、名前を考えたり、赤ちゃんを迎え入れる準備をするために早く知っておきたいということはありますが、NIPTを受ける10週の段階ではまだわかっていなくても問題ないなと思いました。
エコーなどで20週前後にはわかり、そこから準備しても十分時間があるため、性別を知るために非認証施設を選ぶ必要はないと思います。
私たちは出産まですべて同じ病院で見てもらえた方が安心だと思い、認証施設で分娩予約をし、NIPTを受けたため、性別はわかりませんでした。
性別によって中絶する方もいるみたいなので、認証施設では性別の判定は行っていないようです。
先天性疾患と染色体疾患の割合
NIPTの検査で分かる、疾患の割合を紹介します!
生まれてくる赤ちゃんの3~5%は、先天性疾患(生まれつき、体や臓器の機能に異常がある疾患)を持って生まれてきます。
その3~5%のうち、染色体の異常は25%となっていて、
25%のうちの約70%が、21トリソミーなどのNIPTで分かる3つの疾患に当てはまります。
NIPTでは、確率的に100人あたり0.7人程度が持つ疾患を調べているということです!
妊婦の年齢が高くなると、トリソミーを持つ(ダウン症候群など)赤ちゃんの出生頻度が高くなることが知られています。
それ以外の染色体疾患では、年齢による影響は明らかになっていません。
先天性疾患の割合が3~5%なので多いなという印象でしたが、治療が必要ない軽度の疾患も含まれた割合のようです!
陽性判定が出た場合の中絶率
出生前検査で陽性だった場合、中絶率は約90%と言われています。
倫理観の問題などから否定的な声もある検査ですが、身体的や経済的な観点から出産を諦める人は多いようです。
出生前診断の結果を受けての人工妊娠中絶は、母体保護法の条件下で認められています。
先天性の病気の有無で生命に優劣をつけているのでは?という声もあるようですが、病気がある子どもを育てることは容易ではなく、出産する人の経済状況や生活にも影響があります。
それぞれの家庭の事情もあるので、個人の意思を尊重したいですね。
確定的検査と非確定的検査
妊娠中の赤ちゃんの染色体疾患を調べる検査の種類は5種類あり、確定的検査と非確定的検査に分類されます。
確定検査 | 絨毛染色体検査 | 羊水染色体検査 |
実施可能時期 | 11-14週 | 15-16週以降 |
対象染色体疾患 | 染色体疾患全般 | 染色体疾患全般 |
検査内容 | 絨毛穿刺 | 羊水穿刺 |
21トリソミーにの検出率(感度) | 約99.9% | 約99.9% |
非確定検査 | 超音波マーカー検査 | クアトロ検査(母体血清マーカー検査) | NIPT |
実施可能時期 | 11-13週 | 15-18週 | 9-10週以降 |
対象染色体疾患 | 21,18,13トリソミー | 21,18トリソミー | 21,18,13トリソミー |
検査内容 | 超音波検査 | 採血のみ | 採血のみ |
21トリソミーにの検出率(感度) | 約 | 60%約80% | 約99% |
一番早く検査ができるのはNIPTとなっており、9~10週以降、検査が可能です。
検査方法も採血のみなので、精神的にも楽に検査できます。
ただし、血液中に浮遊しているcfDNA(染色体が細かく分解されたもの)を分析して検査をするので、早い段階だと浮遊しているcfDNAが少なく、判定保留になる場合があるようです。
非確定的検査は、確定的検査前に疾患リスクの判定を行い、確定的検査を受ける必要があるか判断するための検査という位置づけです!
非確定検査となっていますが、NIPTの検出率は99%とほとんど100%なので、信頼性のある検査です!
染色体疾患を調べる検査の選び方
遺伝カウンセリングで聞いた話を基に、どういった検査を選択すれば良いか紹介します!
カウンセリングを受けて、染色体疾患を調べることを決めたときに候補になるのは、NIPT、羊水染色体検査の2つになると思いました。
非確定的検査の超音波検査やクアトロ検査は検出率がNIPTよりも低く、実施時期はNIPTよりも遅いです。
NIPTだと費用は高くなってしまいますが、偽陽性の確率が高くなる検査はする意味がないなと感じました。
検査結果は、少しでも信頼性の高い検査が良いですよね!
費用についても、私たちが検査を受けた病院では、NIPTは羊水検査の費用が含まれていたので、クアトロ検査単体の料金はNIPTよりも10万円程度安いですが、羊水検査まで受けると金額の差はほとんどありませんでした。
また、中絶は22週未満(21週6日目)までに行う必要があるので、検査の結果によって中絶を考えている場合は、早めに検査できるNIPTがおすすめです。
病院にもよりますが、NIPTは結果が届くまでに2週間、羊水検査は3週間程度かかります!
絨毛染色体検査は、同じ確定的検査の羊水染色体検査よりも流産のリスクが高め(絨毛染色体検査約1%、羊水染色体検査約0.3%)です。
羊水染色体検査よりも早く検査できる点は良いですが、できる限りリスクの低い検査を選びたいですね。
私たちが通っている病院では、クアトロ検査は3万円程度、NIPTはカウンセリング込みで14万円程度でした!
NIPT検査を受けた感想
私たちが実際にNIPTの検査を受けた時の体験談を紹介しました。
私たちは認証施設で検査をしたので、カウンセリング後に検査をしました。
検査の理解も深まりますし、どの検査を受けるべきか相談もできるので、カウンセリングは受けるのがおすすめです。
カウンセリングの結果、検査を受けないという選択をする方もいるので、二人にとって重要な決断のサポートをしてもらえます。
助産婦のサポートクーポンを交付している市では、カウンセリングの費用がかからない可能性もあるので、住んでいる地域の助成金を調べてみてください。
出生前検査には色々な声もありますが、出産する夫婦の生活に大きく影響するので、周囲の声に影響を受け過ぎずに、夫婦でよく相談し、判断してみてください。
個人の考えは人それぞれ違いますし、子どもを育てるのは意見を言ってきた他人ではないので、自分たちの意見を大事にしましょう!
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